「おかえりなさい、烈司さん。」
「ただいまー凛たん。つーか、秋らしい顔にされたなぁ~?」
「秋らしい??」
「そう。真っ赤だなぁ~♪真っ赤だなぁ~♪って、お歌があるだろう?」
「あ!?もみじの歌・・・?」
「正解♪手形の紅葉とは、秋らしい顔そのものじゃん?」
「なるほど、凛道の顔を見ながらの紅葉狩りか。」
「あん♪凛ちゃんを合法的に見つめられてラッキー!あの巨乳、なかなかやるじゃない!?」
「わははははは!よかったな~!凛助!!」
「よくねぇーよ、ボケ共!テメーら凛の心配しろ!!」
「そうですね。上手いこと言いますけど、嬉しくないです。」
いや、待てよ・・・
(見世物になるのはごめんだけど、瑞希お兄ちゃんに見つめられるのは悪くないかな。)
〔★凛はどんな時でも、恋にゆとり(?)があった★〕
自分のケガを前向きに考えていれば、瑞希お兄ちゃんが言った。
「会長から電話来たぞ。」
「電話するって言ってたな~説明は俺に丸投げだろう?」
「そういうことだ。で?どうなんだよ、烈司?」
私の頬を冷やしながら、瑞希お兄ちゃんが低い声で烈司さんに聞く。
「源氏名『ふじこ』・・・鳴海瑠華って女が、凛を叩いた理由は聞けたのか?身元はどうなってた?凛が聞いた通りだったか?」
「慌てんなって!順番に話すからよぉ~?」
これにヘビースモーカーは、好きな人の隣に座りながら答えた。
「とりあえず、身元は凛たんが本人に聞いた通りだったぜ。」
そう言いながら、私の前髪を触る烈司さん。


