彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「おかえりなさい、烈司さん。」

「ただいまー凛たん。つーか、秋らしい顔にされたなぁ~?」

「秋らしい??」

「そう。真っ赤だなぁ~♪真っ赤だなぁ~♪って、お歌があるだろう?」

「あ!?もみじの歌・・・?」

「正解♪手形の紅葉とは、秋らしい顔そのものじゃん?」

「なるほど、凛道の顔を見ながらの紅葉狩りか。」

「あん♪凛ちゃんを合法的に見つめられてラッキー!あの巨乳、なかなかやるじゃない!?」

「わははははは!よかったな~!凛助!!」

「よくねぇーよ、ボケ共!テメーら凛の心配しろ!!」

「そうですね。上手いこと言いますけど、嬉しくないです。」

いや、待てよ・・・

(見世物になるのはごめんだけど、瑞希お兄ちゃんに見つめられるのは悪くないかな。)



〔★凛はどんな時でも、恋にゆとり(?)があった★〕


自分のケガを前向きに考えていれば、瑞希お兄ちゃんが言った。



「会長から電話来たぞ。」

「電話するって言ってたな~説明は俺に丸投げだろう?」

「そういうことだ。で?どうなんだよ、烈司?」



私の頬を冷やしながら、瑞希お兄ちゃんが低い声で烈司さんに聞く。



「源氏名『ふじこ』・・・鳴海瑠華って女が、凛を叩いた理由は聞けたのか?身元はどうなってた?凛が聞いた通りだったか?」

「慌てんなって!順番に話すからよぉ~?」



これにヘビースモーカーは、好きな人の隣に座りながら答えた。



「とりあえず、身元は凛たんが本人に聞いた通りだったぜ。」



そう言いながら、私の前髪を触る烈司さん。