「大丈夫か、凛!?」
「びっくりしましたぁ~」
抱き上げてくれる瑞希お兄ちゃんに甘えられてラッキーと思いつつも、言うことだけ言ってみた。
「なにするんですか、百鬼さん!?トライされた場所がフカフカだからよかったものの、床だったら痛かったですよ!?」
「わははは!!オメーだったら受け身とれるだろう~!?俺様は他の奴らが、入りやすい空気作っただけだろう~!?」
「じょーだんやめてよ!こんな入場、やぁーよ!凛ちゃん大丈夫~!?」
「そう言いつつ、入ってきてるじゃないか?お前も俺も。」
「モニカちゃん!獅子島さん!」
まるでこのやり取りを見ていたかのように、流れる動きで素早く帰ってきたオネェさんと眼鏡の先輩。
「よかった!帰ってきてくださって!」
「もちろんよ~凛ちゃんから離れなーい♪」
「おい!俺ごと凛を抱きしめんな、モニカ!?」
「皇助お前・・・凛道を床ではなく、やわらかい長椅子にトライするだけの優しさが育ったのだな。」
「わはははは!よせやーい!」
(これ優しさだったのー!?)
おそらく褒めているらしい獅子島さんと、おそらく照れているらしい百鬼にどうしようと思う。
コンコン。
「おーい、盛り上がってるところをごめんよ~」
その直後、タイミングよく壁を叩く音と声がした。
聞きなれた声に、真っ先に瑞希お兄ちゃんが返事をした。
「お、帰ったか、烈司!」
「おう。」
瑞希お兄ちゃんの言葉通り、ガレージに続く出入り口に烈司さんがいた。
どうやら壁を叩いて、自分の存在をアピールしたようだった。
〔★初代龍星軍は、みんな自己主張が激しい★〕


