新学期初日に、私はやらなければいけないことがあった。
(返してもらわないと。)
夏休みの登校日に、いじめっ子達から奪われた宿題を取り返すこと。
気は進まないが、後で困るのは自分なので、いやいやながらも動いた。
「宿題を返してください。」
私の夏休みの宿題を奪った、大嫌いないじめっ子の難波と鳥海に話しかける。
こちらの同意を得ず、自分達荒くをするために写すのが目的で強奪した。
私の問いかけに奴らは・・・
「だからさ~」
「わかるよね。」
知らん顔する。
無視されるのは、もちろん想定内。
もう一度大きめの声で言う。
「私が貸した夏休みの宿題を、全部返してください。」
「―――――うるさい!宿題は出したんだよ!」
そう言った難波の視線の先を見れば、机に提出物が山積みになっていた。
(あの中に、私の宿題があるの?)
確かめようとした時だった。
「邪魔。」
「あ。」
わざとらしく鳥海は言うと、私の背中に拳を押しつけられてグリグリしてきた。
(なにそれ!?手で押しのけるならわかるけど、グーでわざわざ押しのける!?)
不愉快極まりない。
だけど、こちらから手出しはしない。
『菅原凛』として動ける範囲が決まっているから。
(とにかく、確かめないと・・・!)
爆発しそうな怒りを抑えて、宿題が置かれている机に向かおうとしたのだが・・・
「邪魔!」
ドン!
「あっ!?」
ゆく手を遮られ、突き飛ばされた。
「なにを・・・!?」
私を突き飛ばしたのは、別の女子だった。
その女子を含め、チャラい服装の男女が提出物が置かれた机の前にいた。
いたというか、私を近寄らせないようにして集まっていた。
私を見ながら、下品な笑みを浮かべて話し始める。


