彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



新学期初日に、私はやらなければいけないことがあった。



(返してもらわないと。)



夏休みの登校日に、いじめっ子達から奪われた宿題を取り返すこと。

気は進まないが、後で困るのは自分なので、いやいやながらも動いた。


「宿題を返してください。」


私の夏休みの宿題を奪った、大嫌いないじめっ子の難波と鳥海に話しかける。

こちらの同意を得ず、自分達荒くをするために写すのが目的で強奪した。

私の問いかけに奴らは・・・


「だからさ~」

「わかるよね。」


知らん顔する。

無視されるのは、もちろん想定内。

もう一度大きめの声で言う。



「私が貸した夏休みの宿題を、全部返してください。」

「―――――うるさい!宿題は出したんだよ!」



そう言った難波の視線の先を見れば、机に提出物が山積みになっていた。


(あの中に、私の宿題があるの?)


確かめようとした時だった。


「邪魔。」

「あ。」


わざとらしく鳥海は言うと、私の背中に拳を押しつけられてグリグリしてきた。


(なにそれ!?手で押しのけるならわかるけど、グーでわざわざ押しのける!?)


不愉快極まりない。

だけど、こちらから手出しはしない。

『菅原凛』として動ける範囲が決まっているから。


(とにかく、確かめないと・・・!)


爆発しそうな怒りを抑えて、宿題が置かれている机に向かおうとしたのだが・・・



「邪魔!」

ドン!

「あっ!?」



ゆく手を遮られ、突き飛ばされた。


「なにを・・・!?」


私を突き飛ばしたのは、別の女子だった。

その女子を含め、チャラい服装の男女が提出物が置かれた机の前にいた。

いたというか、私を近寄らせないようにして集まっていた。

私を見ながら、下品な笑みを浮かべて話し始める。