〈チョコちゃん、顔は大丈夫かい!?むなちゃんは、もう帰ってるか?〉

「・・・顔は大丈夫です。」



本当は大丈夫じゃないけど、心配そうな声を聞いたら真実は言えない。



「烈司さんは・・・まだ戻ってません。烈司さんに御用があるのですか?」

〈そうかい・・・。今日のチョコちゃんの件で、話すことはまだまだあるけどな。〉

「え!?僕のことはお気になさらないで下さい!大丈夫ですよ?」

〈そうはいかねぇーよ!実はなぁ~ふじこちゃんと話し終わって、おじちゃんも帰るところなんだけど・・・本当に、叩かれた顔は平気かい?〉

「で、ですから、平気ですよ~?」

(優しいけど、疑い深いな・・・・)


〈チョコちゃんがそういうなら・・・そういうことにしておこうか。〉

「それより、る・・・ふじこさんは大丈夫ですか?変な奴らにからまれちゃったから、めいってませんか?」

〈優しいなぁ~!!チョコちゃん!!!もぉ~良い子だから!!だからおじさん、大好きなんだよなぁ~!!〉



鼻をすすりながら大きな声で言う大原会長さん。



「あ、ありがとうございます・・・。」

〈いいってことよ!ふじこのしたことは、おじさんが代わって謝る!謝らせてくれ!チョコちゃん!〉

「え?代わりって・・・?」

〈あの娘っ子・・・なんで、チョコちゃんをぶったのか聞いても、理由を言わないんだ。とにかく、『治療費は出す』って金を押し付けてくるだけで・・・情けねぇ!〉

「そうですか・・・」



(治療費のことを口にするってことは、私に落ち度はないってことよね?)



〔★世間では、誠意の代わりに金で解決する者がいる★〕