(あれ!?もしかして今って、瑞希お兄ちゃんと2人っきり!?)
邪魔者全部、出て行った~帰ってこなーい♪
(2人っきり・・・♪)
マスクの下でゆるむ口元。
無言で瑞希お兄ちゃんにくっつき、ぐいぐいと自分の頭を彼の身体に押し付けてみる。
「おわ!?どーした、どーした?甘えてんのか、オメーは?」
「えへへ~」
「こら、押すな押すな。そんなに押すなら~・・・そりゃ~!」
「わっ、わっ!くすぐったいですよぉ~お兄ちゃ~ん♪」
笑いながら、私の頭をクシャクシャとなでて下さる好きなお方。
幸せな時間満喫♪
(ずっと続けばいいのにーい♪)
ピヨピヨピー♪
スマホが鳴った。
「・・・。」
「あれ、この音は~」
おっしゃらなくてもわかっております。
「凛のだな?」
「・・・はい、僕です。」
さようなら、あっという間に終わった好きな人との2人っきりイチャイチャタイム。
(せっかく、良いタイミングで瑞希お兄ちゃんと2人だけになれたと思ったのに~!!)
「もぉ~誰だろう・・・?失礼しますね。」
「おう。」
瑞希お兄ちゃんにお断りを入れてスマホを取り出す。
「あ。」
画面表示に表示されたのはさっき会った人物。
「凛、スピーカーにして出ろ。」
そう命じる瑞希お兄ちゃんの目は、私のスマホを見ていた。
「・・・わかりました。」
瑞希お兄ちゃんの言う通りにして画面をタッチする。
「もしもし、会長さんですか?」
〈チョコちゃん、大丈夫か!?〉
電話の相手は、先ほど助けてくれた町内会長さん。
ピアス3兄弟には、ヤクザの頂点に立つ人と勘違いされた良い人。
〔★恋する凛には、今は邪魔者である★〕


