ブブブンブブブンブブブン!



ふいに、振動が部屋に響く。



「誰かのスマホ、鳴ってませんか?」

「わはははは!俺様だ!」



名乗り出たのは、野獣男。

ガシッとスマホをつかむと、どかどかとにぎやかに裏口から外へと出て行く百鬼。



「あら~夜のお店の女子から、お酒を飲みに来いってお誘いかしらねー」

「それを言うなら、金を落としに来いだろう?」

「あいつ現金で払うから、人気なんだよなー・・・あ!?凛はまだ1人で行くなよ!?今夜は特別だっただけだからな!?」

「行きませんよ!てか、ひどい言いようですね!?」

まぁ、わからなくもないけど。


そう返事した後だった。





ブブ、ブブ、ブブ、ブブ!



再び、振動が部屋に響く。



「誰かのスマホ、鳴ってませんか?」

「俺だ。」



ポーカーフェイスの眼鏡男。

スッとスマホを持つと、さっさと和室へと入って行く獅子島さん。



「あら~また大学の教授連中から、お手伝いの要請かしら~」

「あいつ、完璧な二重人格で、一般人演じるからなぁ~凛も、ほどほどで伊織を見習えよ?公私を使い分けるところとかな?」

「瑞希お兄ちゃんのご期待にそえるように、頑張ります!」

そうじゃなければ、見習ったりしないからね!



そんな返事した後だった。





ブブーブブーブブーブブー!



3度目の振動が部屋に響く。



「誰かのスマホ、鳴ってませんか?」

「あら、あたしね!」



名乗り出たのは、キレイなオネェさん。

パッとスマホをつかむと、そそくさと洗面所の方へ行くモニカちゃん。



「仕事か学校か、あいつもあれで忙しいからなぁ~」

「両立、大変そうですね~」



そう返事したところで気づく。