そんな私を見て、上目遣いのモニカちゃんが瑞希お兄ちゃんに聞いた。



「みーちゃん、凛ちゃんのほっぺはどう!?少しはマシになった!?」

「あ~・・・・ここまで冷やしてはみたが~・・・・」

「赤みが引かんな。」



好きな人の代わりに、メガネの先輩が言った。



「むしろ、冷やすことで、頬が腫れていることがよくわかる。」

「わはははは!良い感じで赤いじゃねぇーか!?良い顔してんな、凛助!鏡見るか!?」

「結構です。」



野獣の申し出を丁寧に断る。

てか、鏡を見なくてもわかる。

お兄ちゃん達のやり取りを聞かなくてもわかっていた。



(この痛み・・・・絶対、腫れてるよ・・・・・・)



冷やしているのに、冷たさを感じない時点で察してます。



(全力投球で叩かれちゃったんだろうな・・・)



困るな・・・腫れちゃってるとか・・・



(お母さん達をどう誤魔化せばいいの?)



〔★心配する点がズレている★〕



頭を悩ませる私の顔を見ながら、瑞希お兄ちゃんがため息交じりに言う。



「とりあえず・・・しばらく冷やすかー・・・」

「すみません、瑞希お兄ちゃん・・・」

「気にすんな。ひっぱたかれて、カッとなって、やり返さなかっただけ上出来だ。」

「ごめんなさい・・・」

「ああ、かわいそうな凛ちゃん!!巨乳女の被害にあって、片頬だけがリンゴ病みたいに真っ赤になって!お店を出てすぐに、冷やせば違ったかもしれないのに!でも、ほっぺの腫れてる凛ちゃんも可愛いから好きよ!愛してるわ!!だから落ち込まないで!!」

「あ、ありがとう、モニカちゃん。」

「凛道が望むなら、傷害罪で被害届を出してやろう。小さな余罪の積み重ねが、実刑のブタバコ行きにつながる。」

「大事にしないでください、獅子島さん!」

「わはははは!相手の姉ちゃん、巨乳だったよな~!?詫びは、身体で払ってもらえよ、凛助―!?頼めば、胸、もませてくれるだろう!」

「卑猥な要求はやめて下さい、百鬼さん!」

「そうよ!凛ちゃん、失礼なことしないわ!逆に、セクシーガールを助けたじゃないのよ!ちょっとばかり、おっぱいと生理があるからって、ムカつくぜ・・・・!!」

「ない物ねだりはやめろ、モニカ。あの女が凛道に激高したのは、龍星軍の総長だったからというところが大きい。」

「やっぱそうなるか・・・」



獅子島さんの言葉にうなずく瑞希お兄ちゃん。