「お断りします。『ふじこ』さんは、指名を受けて接客中です。」
「指名だぁ~!?」
「そういうこと。さっさと消えて。」
吐き捨てるように瑠華さんは言うと、私の手を引いてこの場から離れようとする。
「おい!?おい、おいおいおーい!?待てよ!」
私達の行く手を男の1人が、口ピアスがさえぎる。
「つーか、そのガキが、『ふじこ』を指名してんのか~?」
「生意気だな!?どー見ても中坊じゃねぇーか!?」
「違います、僕は中坊では――――!」
「この子は関係ないわ!」
瑠華さんは私をかばうように後ろへ隠す。
「迷惑だから帰って!警察呼ぶわよ?」
警察の一言で、大体の人は身を引くけど・・・
「なんだよ~警察呼ぶようなことでもしたのかー?」
馬鹿にはそれが通じないらしい。
でも、瑠華さんも負けてはいない。
厳しい表情と声できつく言い放った。
「連行される分際で、その自覚もないほど馬鹿なの?あんた達?」
「あぁん!?俺らが偉人(ぐれいと)さんの使いだって、わかんねぇほど馬鹿なのかよ?瑠華?」
「偉人(ぐれいと)さんがその気になれば、こんな店なんか・・・・なぁ?」
「だよなぁー?あの人にかかれば、この店のエンディングも早いぞー?」
「そんなことさせないわよ!?」
「だったら、このまま俺らと帰ろうぜ!」
「来いよ、瑠華!」
「痛っ!?」
鼻ピアスがふじこさんの細腕をつかむ。
目視でもわかる、腕に食い込むごつい手。
苦痛で顔をゆがめるふじこさん。
それで私のスイッチが入った。
不良モード、ON!
「来い!」
「やめて!離し――――」
「離しなさい!!」
ふじこさんの手をつかむ悪い男の手を、ロックオンした私が思いっきり叩いた。
ピシャッ!!
「いてぇ!?」
そう言って手を離した鼻ピアスと、瑠華さんの間に割って入る。


