彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「お断りします。『ふじこ』さんは、指名を受けて接客中です。」

「指名だぁ~!?」

「そういうこと。さっさと消えて。」



吐き捨てるように瑠華さんは言うと、私の手を引いてこの場から離れようとする。



「おい!?おい、おいおいおーい!?待てよ!」



私達の行く手を男の1人が、口ピアスがさえぎる。



「つーか、そのガキが、『ふじこ』を指名してんのか~?」

「生意気だな!?どー見ても中坊じゃねぇーか!?」

「違います、僕は中坊では――――!」

「この子は関係ないわ!」



瑠華さんは私をかばうように後ろへ隠す。



「迷惑だから帰って!警察呼ぶわよ?」



警察の一言で、大体の人は身を引くけど・・・



「なんだよ~警察呼ぶようなことでもしたのかー?」



馬鹿にはそれが通じないらしい。

でも、瑠華さんも負けてはいない。

厳しい表情と声できつく言い放った。



「連行される分際で、その自覚もないほど馬鹿なの?あんた達?」

「あぁん!?俺らが偉人(ぐれいと)さんの使いだって、わかんねぇほど馬鹿なのかよ?瑠華?」

「偉人(ぐれいと)さんがその気になれば、こんな店なんか・・・・なぁ?」

「だよなぁー?あの人にかかれば、この店のエンディングも早いぞー?」

「そんなことさせないわよ!?」

「だったら、このまま俺らと帰ろうぜ!」

「来いよ、瑠華!」

「痛っ!?」



鼻ピアスがふじこさんの細腕をつかむ。

目視でもわかる、腕に食い込むごつい手。

苦痛で顔をゆがめるふじこさん。

それで私のスイッチが入った。

不良モード、ON!




「来い!」

「やめて!離し――――」

「離しなさい!!」




ふじこさんの手をつかむ悪い男の手を、ロックオンした私が思いっきり叩いた。




ピシャッ!!

「いてぇ!?」




そう言って手を離した鼻ピアスと、瑠華さんの間に割って入る。