彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「チョコちゃん!?」

「なんだテメー!?」



両手を広げ、瑠華さんことふじこさんの前に立つ。




「女性に乱暴しないでください!」




良い子モードで対応。

これに相手は――――――



「退け、ガキ!」

ドン!

「あ!?」



私の肩を押す、張り手で答えてくれた。

それほど強い力じゃなかったんだけど・・・




(―――――――――最悪の事態を予想すれば、『先に手を出された被害者の実績』を作っておくべきかな?)




そう判断して、椅子ごと床に倒れた。



ガタガタ!

「チョコちゃん!?」

「痛い。」



と、言うだけ言ってみる。

もちろん受け身もとってまーす。



〔★凛は被害者らしくふるまった★〕



リアクションとしては弱かったかなぁ~?と思ったけど、馬鹿達はそう思わなかった。



「ぎゃはははは!弱っ!」

「口だけかよ~!?」

「もっと鍛えろよ、チービ!」



倒れた私を見て、ピアス三兄弟は大爆笑。



「なんてことするのよ!?」



それを見た瑠華さんが、ひらりとカウンターを乗り越えて私の側に着地。

そのことに私は驚いた。



「大丈夫!?怪我は?」

「え、いえ、大丈夫です!ふじこさん、身軽ですね!?」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?」



そんなやり取りをしていたら、お店の男性スタッフ達がやってきた。



「お客様、他のお客様のご迷惑になるので、お引き取り下さい。」

「俺ら、『永山偉人(ぐれいと)さん』の紹介なんだけど?」

「え!?『永山偉人(ぐれいと)』様の?」

「そうだよ!」



それで困った顔をして固まるお店の人達。



「『お引き取り』ってのは、『帰れ』って意味か?」

「追い返すってんのか!?」

「いえ、それはー」

「迷惑かけたのかよ?こっちは、この女に用があるんだよ!」



そう言いながら瑠華さんを指さす鼻ピアス。

恐喝的な口調だけど、男性スタッフは負けなかった。