子供だましの良い笑顔で私に伝えてくる。
「もちろんだ!お父さんも凛が大好きだ!凛のために無理してでも頑張るからな~!?」
「お母さんもよ。凛が大好きだから、凛のために我慢して頑張れるわ。凛も、それに答えてね?」
「うん、ありがとう!」
(茶番だな。)
外面でニコニコしながら、内心では悪態をつく。
(『凛のため』、『凛のため』・・・『私のため』って言うけど、知ってるんだからね?)
よくもまぁ、恩着せがましいことが言えたものだわ。
両親の言葉の端々に見え隠れする『感謝をうながす』態度。
(娘を有名高校に入れたことを自慢しているくせに。)
周りから、『すごい』と言われ、『さすが菅原さんだ』と言われて、気持ちよくなってることは知ってる。
『親の教育が良い』と言われ、『子育ての成功者』のつもりでいる。
(・・・親の意見は聞くよ。私より長く生きてて、社会経験がある。失敗の経験もあるから、同じ間違いを子供にさせないようにという気持ちは伝わってくる。)
理解してるよ。
(理解してるから、逆らわないで従っている。)
頭では、理性ではわかってるけど――――――――誤解してる。
『納得してる』と勘違いしないでよ。
(私は、あゆみが丘学園になんか行きたくなかった・・・)
行きたくないと言ったけど、正論で返されて、言い返せなかった。
なによりも私の生存権を、働けない未成年の私が生きていくためのお金をにぎるあなた達の言い分を聞いただけ。
奨学金を使ってでも、別の学校に行くべきだったかと後悔したこともあったけど、今はこれでよかったと思っている。
――凛!――
(・・・・・・・瑞希お兄ちゃんに再会できるルートだったから、これで正解だったんだよ。)
そう思うことが、私にとっての何よりの安定剤。
真田瑞希様が、唯一の心の支えだから。


