「あ、あの!」
「よかった~合図に気づいてくれて。」
「あ・・・やっぱり、アイコンタクトしました?」
「それがわかったから、追いかけてきたんでしょう?」
楽しそうに言うと、カウンターの中に入っていく美女。
そしてなぜか、ドリンクの準備を始めるふじこさん。
「あれ?あなたが、みんなの分を作るのですか?」
「そうよ~チョコちゃんと2人で、おしゃべりしたいからね~?」
「え!?僕と2人で!?」
「そうそう♪こうしないと、チョコちゃんと2人きりで話せないでしょう?ホント、アイコンタクトに気付いてくれてよかったぁ~」
「ええ!?」
そう言って笑う目に色っぽさがあって、胸がドキドキし始める。
「は・・・話なら、お兄ちゃん達の前でもできるじゃないですか?」
「保護者の前で、内緒話する子供はいないでしょう?」
「う!?そ、そうですが~」
それだとまるでー
「瑞希お兄ちゃんが聞くとよくない話をするということですか・・・?」
「誤解しないでほしいからね。」
「誤解?」
「誰にでも気軽になんて、渡さないのよ、『名刺』は。」
「え?え!?リクエストカードのことですか・・・!?」
「そうよ~」
人数分のグラスをカウンターに置きながらふじこさんは話す。
「あたしの名刺、欲しいって人はたくさんいるけど~みんなに渡してたら、お姉さん疲れちゃうのよね~だから、人を選んで渡してるの。」
「え?それって・・・?」
「ふふふ♪チョコちゃんだから渡したのよ?早く大人になぁ~れっ!て?」
「え!?瑞希お兄ちゃんへの宣伝だったんじゃ・・・!?」
「チョコちゃんのお兄さんなら、大丈夫だと思ったのよ。自分でもびっくりしてるの!年下の男の子に、惹かれちゃうなんてね~」
「そ、そんな~|あははは!」
(すみません、本当は女の子です・・・)
誤解する相手にそんなことは言えないので、ひたすら笑顔で誤魔化す私。
「さっきのスリムなお姉さんがいたでしょう?彼女、年下好きだから気をつけなさいよ~?」
「は、はい。」
「まさかとは思うけど、年上好きだったりする?」
「え!?」
―凛!―
その言葉であの方が脳裏に浮かぶ。
「・・・はい、好きですね。」
5歳年上の瑞希お兄ちゃんが、大好き。
瑞希お兄ちゃんのことを妄想していたら、あせるような声でふじこさんが言った。


