彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「あ、あの!」

「よかった~合図に気づいてくれて。」

「あ・・・やっぱり、アイコンタクトしました?」

「それがわかったから、追いかけてきたんでしょう?」



楽しそうに言うと、カウンターの中に入っていく美女。

そしてなぜか、ドリンクの準備を始めるふじこさん。


「あれ?あなたが、みんなの分を作るのですか?」

「そうよ~チョコちゃんと2人で、おしゃべりしたいからね~?」

「え!?僕と2人で!?」

「そうそう♪こうしないと、チョコちゃんと2人きりで話せないでしょう?ホント、アイコンタクトに気付いてくれてよかったぁ~」

「ええ!?」



そう言って笑う目に色っぽさがあって、胸がドキドキし始める。



「は・・・話なら、お兄ちゃん達の前でもできるじゃないですか?」

「保護者の前で、内緒話する子供はいないでしょう?」

「う!?そ、そうですが~」



それだとまるでー



「瑞希お兄ちゃんが聞くとよくない話をするということですか・・・?」

「誤解しないでほしいからね。」

「誤解?」

「誰にでも気軽になんて、渡さないのよ、『名刺』は。」

「え?え!?リクエストカードのことですか・・・!?」

「そうよ~」



人数分のグラスをカウンターに置きながらふじこさんは話す。



「あたしの名刺、欲しいって人はたくさんいるけど~みんなに渡してたら、お姉さん疲れちゃうのよね~だから、人を選んで渡してるの。」

「え?それって・・・?」

「ふふふ♪チョコちゃんだから渡したのよ?早く大人になぁ~れっ!て?」

「え!?瑞希お兄ちゃんへの宣伝だったんじゃ・・・!?」

「チョコちゃんのお兄さんなら、大丈夫だと思ったのよ。自分でもびっくりしてるの!年下の男の子に、惹かれちゃうなんてね~」

「そ、そんな~|あははは!」

(すみません、本当は女の子です・・・)



誤解する相手にそんなことは言えないので、ひたすら笑顔で誤魔化す私。



「さっきのスリムなお姉さんがいたでしょう?彼女、年下好きだから気をつけなさいよ~?」

「は、はい。」

「まさかとは思うけど、年上好きだったりする?」

「え!?」

―凛!―



その言葉であの方が脳裏に浮かぶ。




「・・・はい、好きですね。」




5歳年上の瑞希お兄ちゃんが、大好き。




瑞希お兄ちゃんのことを妄想していたら、あせるような声でふじこさんが言った。