「チョコちゃんを見ていたら・・・いえ、みなさんのチョコちゃんへの接し方を見ていたら、急に飲みたくなりまして。」
「接し方って・・・カクテル言葉は、『守護』だもんなー?お守りのし過ぎってこと?」
「あら、そういう意味でしたの?でも、ひねくれたように受け取らないで下さい。卵黄とガムシロップが欲しくなっただけですから♪」
「そこにノンアルコールビール入れて飲むのかい、未成年?」
「女性に年を聞くのはレットカードですよ、チョコちゃんのお兄さん?」
瑞希お兄ちゃんの指摘に動じることなく優雅に笑う美女。
カンナさんとは違った意味で、強い女性だと思う。
「それでは、以上で注文を承りましたが―――――・・・・」
そんなことを考えていたら、ふじこさんが申し訳なさそうな声で言った。
「すみません、みなさんにたくさん注文頂いたので、直接伝えに行ってきます。席を外しますが、少しお待ちください。」
「ああ、悪いな。ふじこちゃん。」
「よろしく、フジコチャン。」
「早く戻ってきて、凛ちゃんの話をしようぜ♪」
「・・・急がんでいいぞ。」
「わはははは!!大丈夫だぜー!」
「ありがとうございます。行ってきます。」
そう言うと、私達から離れて行くふじこさん。
(え?)
その瞬間、彼女は私にアイコンタクトをしてきた。
(・・・気のせい?いや、そんなわけは――――――)
「どうした、凛?」
「あ、えっと・・・」
「わはははは!便所かっ!?」
「あ、そう、なんです!行ってきてもいいですか?」
「ダメって言うわけないだろう?迷うなよ?」
そう言って、私の頭を撫でる瑞希お兄ちゃん。
ちょっと元気がない気がしたけど、首を縦に振ってから席を離れた。
(どこだろう?)
トイレじゃない。
探しているのは、アイコンタクトしてきた相手。
なんとなく気になったので、追いかけた。
(こっちに向かったはずだけど・・・)
瑞希お兄ちゃん達の席からは視覚になる入り口付近のカウンター席。
「瑠華さん・・・」
「ここでは『ふじこ』でしょう?」
そんな声と一緒に背後から抱きしめられた。
ギュ!
「わっ!?」
「つ~かまぁーえたぁ♪」
「る、瑠華さん!?」
びっくりしながら振り返れば、クスクス笑うお姉さんがいた。


