彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




ひとしき声をあげて笑ったところで瑞希お兄ちゃんが言った。



「マジでごめんな、ふじこちゃん。今夜は値段を気にせず、好きに飲み食いしてくれよ。」

「いいんですか、チョコちゃんのお兄さん?」

「俺よりも、そっちの眼鏡のお兄さんに~」

「許可する。」

「へぇ~いいのかよ、イオリン?」

「内容の是非は問うてない。元々、恵んでやるつもりだったからな。」

「ははは!そこはおごるって言ってくれよ~?瑞希、伊織はOKだってよ!」

「おう。つーことで、大丈夫だからよ、ふじこちゃん。」

「まぁ・・・すみません。ありがとうございます。あたし、けっこうずうずうしくしたのに・・・」

「わはははは!瑞希お兄ちゃんの方が大人げなかったから気にすんなよぉー!!」

「うるせぇー!言われなくても自覚してるわ!!いや、本当にマジで、ふじこちゃんのずうずうしいは可愛いもんだよ。俺は、弟のことになると、ついカッとなって~・・・」

「わかります。チョコちゃん、素直だから・・・このままきれいに育ってほしいですよね。」

「あら!・・・じゃなくて、ああ、そうだよ!良いこと言うじゃないか!?わかってるね、ふじちゃんは!?凛ちゃんは良い子なんだよ!」

「ええ、気づいてますよ~守りたくなるような一途さありますよね~」

「そうだよ、そうだよ!君とは気が合いそうだな~」



(なんかどんどん、仲良くなっていってる・・・)



カクテル言葉通り弾んでいく会話。



「じゃあみなさん、他にはご注文良いですか?」

「大丈夫だ。ふじこちゃんは何にしたんだ?」

「『エッグ・ビール』を頂きます。」


「エッグ・ビール??」

(って、なんだろう?)



名前のまんま、ビールに卵を入れてるの??



(困った時は、瑞希お兄ちゃん!)



視線を向けて目が合えば、優しい声で彼が答えてくれた。



「西洋版の卵酒だ。」

「卵酒!?」

(あ、意外と合ってた?予想通り?)



「風邪でもひいてるのか、ふじこちゃん?」

「いいえ、元気ですわ~」



瑞希お兄ちゃんの問いかけに、クスクス笑いながらお姉さんは言った。