彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)







「初回だから大目に見よう。ノンアルコールのお味はいかがだったかな、ふじこ君?」

「ええ、『美味しいカクテル』ですわ。」



獅子島さんの問いかけに、問題のカクテルが入ったグラスをくるくる回しながら答えるふじこさん。



「お相手が皆さんみたいに、若くて素敵な殿方達(とのがたたち)だから、『酔いが回る』のが早そうで困るわ~」

「ほお・・・ノンアルコールで『酔いが回る』か?」

「はい♪」



(ひー!?)

ふじこさん、死ぬ気!?



(獅子島さんがノンアルコールって言ってるのに、カクテルって言ったうえに、酔いが回るとか!?)



やばいやばい!マジでキレてる獅子島さん!



(ホント、その笑顔が怖い怖い!助けて瑞希お兄ちゃーん!!)


心理的負担が大きすぎる!



救いを!いやしを求めて、愛しいお方を見れば―――――



「ははは!ふじこちゃん、そのカクテルで酔っちゃうのか~?へぇー酔っちゃうねぇ~・・・!?」


あん♪そうやって怒られるお姿も、す・て・き!

怒りを隠した笑みで私を誘惑するなんて・・・本当にあなた様だけですよぉ~真田瑞希様♪

スキスキ!大スキー♪

・・・・・って、そうじゃない!そうじゃなかった!!

悩殺されてる場合じゃないよ!



(瑞希お兄ちゃんまで怒ってるよー!どうなるのよ、これ!?)



ハラハラする私の前で、お兄ちゃん達の駆け引きが動く。



「獅子島君さ、ふじこちゃんに色が違うって言っても意味ねぇジャン?」

「わはははは!!だったら話が早いぜー!!俺が味見してやるから飲ませろよ~!!」

「残念♪」



獅子島さんの指摘に興奮しながら言う百鬼に、ふじこさんが意地悪く笑う。

そして、グラスに口づけ手一気飲みした。




「「あああああああああああ!?」」

「「「「!?」」」」

「ごちそう様♪」





その姿に私と百鬼が叫び、瑞希お兄ちゃん達は固まった。



〔★ふじこの強行突破策、証拠隠滅(しょうこいんめつ)を完遂(かんすい)した★〕