彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「美味しいかね、ふじこ君?」



そこへ、眼鏡ナシの美男子先輩が参入する。



「『シャンディーガフ』を飲むペースが早いが、大丈夫かい?」

「ご心配ありがとうございます。美味しいので、つい早くなってるだけですから。」

「そうだな、ジュースだから当然か。」

「え?ジュース??」



獅子島さんの言葉に、ふじこさんの笑顔が固まったことが私でもわかった。



「・・・あたしが飲んでるのは、『シャンディーガフ』ですよ~?」



しかし、それは一瞬の出来事で、すぐに元通りになる。



(そうだよね?『シャンディーガフ』だよね??それなのに、ジュースって??)



何を言い出すのかと思って獅子島さんを見れば、眼鏡ナシの先輩はフジコさんではなく、フジコさんのグラスをじっと見ていた。



「知ってるか、ふじこ君。『シャンディーガフ』はジンジャーエールとビールで作るが、アルコールがダメな者は、ノンアルコールビールとジンジャーエールで作って飲むらしい。」

「なるほど~!それなら、お酒飲めなくても大丈夫ですね?」



初めて聞くような態度をとるふじこさん。



「見た目もわからないからな。ガールズバーでは、酒を飲める方が売り上げが良い。この仕事で生活費を稼いでる君なら、バーテンに頼んで、アルコールをノンアルコールに代用できるカクテルにしてもらい、飲めるように見せかけていてもおかしくない。」

「いやですわぁ~疑ってるんですかぁ~?」



クスクス笑いながら、グラスに口をつける美女。



「ちょ、ふじこさん!」

(その人にそんな態度をとっちゃだめですよー!命にかかわりますよー!?)



そう言いたいけど言えず、ハラハラする思いで見つめるしかない無力な自分。



(瑞希お兄ちゃんに告白する前に、死ぬわけにはいかない!!)



〔★凛は自分の恋と命を優先した★〕