彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




おや??と思いつつ、視線を動かせば―――――――



「見られてる・・・?」

「あん?どーした、凛?」



なんとなくだけど、バーの女の子達だけじゃなく、店内のお客さん達からも・・・

周りから見られている気がする・・・

(これは気のせいじゃないよね?)



「お兄ちゃん・・・見られてませんか?」

「だからそう言ってんだろう?」

「え!?じゃあ、気のせいじゃなかったのですね?大丈夫でしょうか・・・?」

「大丈夫だ、凛。安心しろ!凛は中坊には見えない。」

「僕じゃないですよ!?てか、何の話ですか!?」

「あん?中坊だと疑われてるって心配してたんじゃねぇのか?」

「違いますよ!僕は、瑞希お兄ちゃんと皆さんが目立ってると、申し上げてるのです!カッコ良くて、甘いマスクで、美形で、美男子で、ワイルドな人達が5人もいるのですから!」

「なんだ凛、お世辞か~?ハハハ♪」

「もっと言ってくれていいよ、凛た~ん♪」

「俺は凛ちゃんのために美形でいるぜ。」

「言われんでも、美男子は自覚している。」

「わははははは!!惚れるなよー凛助!?」



瑞希お兄ちゃんはともかく、まんざらでもない返事をしてくる(?)お兄様達に、どうしよう・・・と思った時だった。



「おい、あれ!」



私達へ向けられていた視線が動いた。

賑やかな店内が、一瞬静かになる。



(なに?)



再びにぎやかになった時、店中の人達の視線が一点に集中していた。



(なんだろう??)



思わず、同じ方向へ目を向けた時、その人はいた。

バイカラーのタイトミニドレスに身を包んだ1人の女性が、カウンターから外に出てきた。