おや??と思いつつ、視線を動かせば―――――――
「見られてる・・・?」
「あん?どーした、凛?」
なんとなくだけど、バーの女の子達だけじゃなく、店内のお客さん達からも・・・
周りから見られている気がする・・・
(これは気のせいじゃないよね?)
「お兄ちゃん・・・見られてませんか?」
「だからそう言ってんだろう?」
「え!?じゃあ、気のせいじゃなかったのですね?大丈夫でしょうか・・・?」
「大丈夫だ、凛。安心しろ!凛は中坊には見えない。」
「僕じゃないですよ!?てか、何の話ですか!?」
「あん?中坊だと疑われてるって心配してたんじゃねぇのか?」
「違いますよ!僕は、瑞希お兄ちゃんと皆さんが目立ってると、申し上げてるのです!カッコ良くて、甘いマスクで、美形で、美男子で、ワイルドな人達が5人もいるのですから!」
「なんだ凛、お世辞か~?ハハハ♪」
「もっと言ってくれていいよ、凛た~ん♪」
「俺は凛ちゃんのために美形でいるぜ。」
「言われんでも、美男子は自覚している。」
「わははははは!!惚れるなよー凛助!?」
瑞希お兄ちゃんはともかく、まんざらでもない返事をしてくる(?)お兄様達に、どうしよう・・・と思った時だった。
「おい、あれ!」
私達へ向けられていた視線が動いた。
賑やかな店内が、一瞬静かになる。
(なに?)
再びにぎやかになった時、店中の人達の視線が一点に集中していた。
(なんだろう??)
思わず、同じ方向へ目を向けた時、その人はいた。
バイカラーのタイトミニドレスに身を包んだ1人の女性が、カウンターから外に出てきた。


