彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「僕のライフサイクルを、瑞希お兄ちゃん中心で回すためなら何でもします。努力は惜しみません・・・!」


感情を抑えながら、できるだけそっけなく言う。


「うははは!それもそーやな!まぁ、学校ではわしもおるから頼ってきーや!」


そんな私に、ヤマトは優しい言葉を返してくれる。


「・・・ほどほど甘えるよ。」

「アホ!危ない時は、逃げ込んできてええねん!いつまでも設定どおりに動い堵ったら死んでまうぞ!?」

「瑞希お兄ちゃんに告白するまで、死ねませんよ。」



本当は、親友であるヤマトの言葉に甘えたい。

同じ学校なのだから、『一緒にいたい』と思ってしまう。



「凛の教室の前、巡回したろか!?」

「始業式に体育館で会えなかったら、見回りに来て下さい。」

「任せとけ!うはっはっはっはっ!!」


ヤマトの声がこだまする。

暗かった空が明るくなり始める。

それとは真逆で、私の心は暗くなる。

シンデレラは12時の鐘で魔法がとけた。

『僕』の場合は、それよりもっと複雑。

ヤンキーらしく、学校をサボりたい。

本当は学校なんて行きたくない。

行きたくないという感情しかないけど、そこは理性で抑え込む。



(行かなきゃダメ。)


将来のためにも行かなきゃいけない。


(好きなことを続けるためには、何かを犠牲にしなければいけない。)



だから、逃げれない。

逃げることができないから。

嫌なんだけど、学校が嫌というよりも・・・・・・・



(凛道蓮の魔法をときたくないだけなんだろうけどね・・・・)



ヤマトのバイクのスピードが落ちる。

彼の家に近づいたのだとわかった。


凛道蓮でいられる時間が短くなったことが嫌だった。