「僕のライフサイクルを、瑞希お兄ちゃん中心で回すためなら何でもします。努力は惜しみません・・・!」
感情を抑えながら、できるだけそっけなく言う。
「うははは!それもそーやな!まぁ、学校ではわしもおるから頼ってきーや!」
そんな私に、ヤマトは優しい言葉を返してくれる。
「・・・ほどほど甘えるよ。」
「アホ!危ない時は、逃げ込んできてええねん!いつまでも設定どおりに動い堵ったら死んでまうぞ!?」
「瑞希お兄ちゃんに告白するまで、死ねませんよ。」
本当は、親友であるヤマトの言葉に甘えたい。
同じ学校なのだから、『一緒にいたい』と思ってしまう。
「凛の教室の前、巡回したろか!?」
「始業式に体育館で会えなかったら、見回りに来て下さい。」
「任せとけ!うはっはっはっはっ!!」
ヤマトの声がこだまする。
暗かった空が明るくなり始める。
それとは真逆で、私の心は暗くなる。
シンデレラは12時の鐘で魔法がとけた。
『僕』の場合は、それよりもっと複雑。
ヤンキーらしく、学校をサボりたい。
本当は学校なんて行きたくない。
行きたくないという感情しかないけど、そこは理性で抑え込む。
(行かなきゃダメ。)
将来のためにも行かなきゃいけない。
(好きなことを続けるためには、何かを犠牲にしなければいけない。)
だから、逃げれない。
逃げることができないから。
嫌なんだけど、学校が嫌というよりも・・・・・・・
(凛道蓮の魔法をときたくないだけなんだろうけどね・・・・)
ヤマトのバイクのスピードが落ちる。
彼の家に近づいたのだとわかった。
凛道蓮でいられる時間が短くなったことが嫌だった。


