彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




席ごとに賑やかだったり、静かだったり、温度差があったけど、みんな楽しそうにしてる。

空調の冷気と、人の熱気が混ざり合って、ほど良い湿度を保っていた。



「ごちそうするから、一緒に飲もうよ。」

「ねぇねぇ、こっちで話そう~」

「ごめーん、呼ばれちゃったぁ~」



客層は様々で、どこにでもいそうなサラリーマンのおじさん達から、大学生っぽいお兄さんの一団、年配のおじいさんの集団などなど。

もちろん、1人で来ていて、ゆっくりグラスを口に運んでいる人もいる。



(思ったより、客層がばらばらね・・・)



なんというか・・・来てる人達みんな、どこにでもいそうな感じの人ばかりな気がする。

というか、おみせの女の子達も、すごく普通な感じの子達ばかり。

小さい顔で出るところが出ている細い子もいれば、ちょっとぽっちゃり目の子もいる。

胸の大きな子、お尻の大きな子、えくぼがある子、背が高い子もいる。

美人や中性的な子やボーイッシュな子もいるし、個性的な顔の子もいる。



(なんか、女子だけの、小中学時代の教室にいるみたい。)



〔★いろんな女の子がそろっていた★〕



「お客様の席は、こちらになります。」



そう言って案内されたのは、丸テーブルの席。

そこに腰かけたところで、ホステス風の烈司さんが切り出した。




「『ふじこ』をリクエストしたいんだけど?」




烈司さんが、再度、瑠華さんの源氏名を呼びながら名刺を見せる。

それに瑞希お兄ちゃんを女性と間違えた店員が、即座に対応してくれた。



「はい、すぐにお呼びします。ドリンクのご注文は、いかがなさいますか?」

「わははは!とりあえず、ビー・・・!!」

「とりあえず!!ウーロン茶を人数分!ストローを1本だけつけてくれ!酒は、『ふじこ』が来てから頼む!」

「かしこまりました。」



烈司さんのオーダーを聞いて、瑞希お兄ちゃんに無礼を働いた店員が、私達から逃げる様に立ち去る。

これに百鬼がキレた。



「おい、烈司!!俺様はビールだぞ!?酒飲ませろや!!」

「まだ飲むな。」

「烈司の言う通りだぞ。オメー飲むと、セクハラ発言になって、話になんないからな!?」

「え?」

(セクハラ発言するんだ・・・・。)

そんな感じはしてたけど。



〔★凛はすんなり納得できた★〕