彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんをなだめつつ、無事に店内に入ることができた私達。



「わー・・・♪ここが、ガールズバー!?」

「・・・ああ、凛は初めてだよな?」

「初めてです!ドキドキしてます!」



機嫌が直った瑞希お兄ちゃんの問いかけに、胸を高鳴らせながら答えた。

バーというだけあって、真っ先に目に飛び込んできたのは、お酒のビンがたくさん並んでいる棚。

暖かい暖色系の光に照らされて、様々な形、大きさ、色をした酒ビンが光っている。



「まるでアルコールのスポットライトだぁ~!」

「上手いこと言うな、凛?酒の種類も相当あるな~そんで、あそこにいるのが、バーテンだろうな。」



耳打ちしながら教えてくれた瑞希お兄ちゃんの視線の先には、テレビなどで目にしたことのあるシェーカー・・・お酒を作るふた付きの入れ物をシャカシャカとふっている人達がいた。

その人達はカウンターの中にいて、接客しながらカクテルを作ってるようだった。

カウンター席は、お酒のビンが並んでいるの棚を囲む形であった。

広さと高さのある立派でおしゃれなカウンター席は目を引いた。

このカウンターを、お酒の棚を中心とするようにして、周りに点在するように、ソファーとセットになっている丸テーブルが点在していた。



「今夜も来ちゃったぜ。」

「嬉しい~乾杯しようよ~」

「いつもので。」

「カシスオレンジ頼んだ人は~?」

「あ、オレオレ!」

「俺のカクテルは?」



お客さん達の楽しそうな会話が聞こえる。

落ち着いたムードだけど、明るい活気もあるアンバランスな空間だと思った。