(ま・・・・まさか!?)
好きな人の声と、表情と、態度に、心臓がはね上がった。
「どうなんだよ、凛!?」
答えを要求してくる瑞希お兄ちゃんに、可能性を感じてしまった。
(まさか瑞希お兄ちゃん・・・!?私が、瑞希お兄ちゃんの女装バージョン・『ミク』さんを差し置いて、別の年上のお姉さんを好きになったと思って、嫉妬してるとか!?)
「ど、どうと言われましても~」
まさかね・・・と思いつつも、あいまいに返事をそらす。
そんな私に、さらに瑞希お兄ちゃんがかみついて来た。
「高千穂には黙っててやる!年上の方が好きなのか・・・?」
「いえ、あの・・・!」
「女探偵がきっかけで、年上女に目覚めたのか!?」
「いえ・・・はあ?目覚めた?」
「もしそうなら、女探偵は、高千穂に対して、すっげー罪悪感が半パネェと思うんだ・・・!凛が好きだと思う女探偵や瑠華って姉ちゃんへの感情は、一時の迷いって可能性あんだよ!つーか、そうだよな!?」
「え・・・?」
そう言って必死に、『否定の言葉』を求める相手を見て理解した。
(ああ・・・なーんだ・・・。・・・別に私に、嫉妬とかじゃないんだ・・・・)
むしろ、自分の女装姿をきっかけに、弟が年上の女性好きに目覚めたんじゃないかと心配してるお兄ちゃんの図じゃないか。
〔★責任を感じて、確認をしているだけと思われる★〕
オロオロする瑞希お兄ちゃんを見ながら思う。
馬鹿みたい。
期待して損した・・・と。
「どうなんだよ、凛?」
「別に・・・・・・僕、硬派なんで、女性とかよりも、友達と遊んでる方が楽しい時期なんです。」
「だよな!?そうだよな!?」
「ですが・・・・・・・・女性探偵さんに調査依頼はしたいと思ってます。」
「はあ!?なにを調べたいんだ?」
「僕があなたをどれほど愛しているか調べてほしい、と。」
「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
「冗談ですよ。」
〔★凛の意地悪、瑞希は真に受けた★〕


