「たくっ!俺の凛にリクエストカードを!テメーの名刺を渡すなんざ、良い根性してんじゃねぇか!?」

「お、俺の凛だなんて~♪」



私のことで怒って下さる大好きな人♪



(しかも、『俺の』って付けて下さる所が~~~幸せ!!)



嬉しかったけど、言うことは言っておかなければならないので、無礼を承知で口を開いた。



「僕が真田瑞希様のものだという点は否定しませんが、瑠華さんが僕に名刺を下さったのは、僕への下心とは違うと否定します!瑠華さん的には、僕を通して、瑞希お兄ちゃんへ職場の宣伝を頼んだにすぎず~」

「だったら!!頼んだんだったら、何で俺に隠してたんだ、凛!?普通はすぐ渡すだろう!?もっと早く渡すだろう!?」

「だって!!わ、渡すことで・・・・瑞希お兄ちゃんが遊びに行っちゃうのが嫌で~!」

「正直に言え!年上のお姉さんに興味があったんだろう・・・!?」

「なにを根拠に、そんな誤解を!?」

「っ!!それは~・・・・」



そこで瑞希お兄ちゃんの態度が変わる。



「ほ、ほら、その・・・お前はその~」

「何でしょう??」



ムスッとしつつも、私の耳元で好きな人はささやく。



「前に・・・・女探偵を・・・年上女が良いとか言っただろう?」

「え?・・・ああ、言いましたけど・・・」



(あれは、相手が女装した瑞希お兄ちゃんだったから。)



私の返事に、周囲を気にしつつも、私にだけ聞こえる声で彼は続ける。



「凛はその・・・年上が好きなのだとしてもだな~こういう店で、年上女を知るのは、順番と言うか、硬派として、健全じゃないってゆ~か・・・お前、女探偵が好きじゃなかったのかよっ・・・!?」

「へ?」

「女探偵が好きって言ったよな?嘘だったのかよ・・・・!?」

「え?」



そう言った顔が、すねてるように見えた。