彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)







「優しい紳士を気取るならぁ~『お酒をたくさん飲んだ胃にはグレープフルーツが良いから』って言って『ブルドック』を飲ませられるわぁ~」

「チッ!あんまり凛を抱き込むなよ?オメーの方がタッパ(身長)があるんだから、つぶれるだろーが!あと、『胃に優しい』を使うなら、『牛乳は胃の粘膜を保護する』ってことで『カルーアミルク』の方が良いだろう?甘いカフェオレ味じゃんかよ?」

「はーい、わかってるぅ~ん♪そうねぇ~『カルーアミルク』なら、キャラメルやチョコレートシロップをトッピングしてもらえば、それこそデザート感満載でごまかせるもんねぇ~」



ニコニコしながら言うモニカちゃんに、瑞希お兄ちゃんは呆れながら再度舌打ちする。

その上で、私の頭をナデナデてくれるところが、個人的には嬉しかった。



〔★凛を巡った攻防戦は終結した★〕



「瑞希の言う通りだな・・・敵は・・・いや、相手は、ホールケーキに大喜びしたほどの甘党。ケーキバイキングもめっちゃ行くって話だし・・・」

「ちょ、烈司さん!?今、敵って言いませんでした!?」

「じゃあ、れーちゃん、あたしのグレープフルーツの『ブルドック』は不採用なの~?」



戸惑いながら聞く私とモニカちゃんに、烈司さんは静かに首を縦に振る。



「『ブルドック』は、紛らわしいだろう?モニカが言う、日本で一般的な『ブルドック』と、そうじゃない方・・・同じ名前で違うレシピのがあるだろう?・・・『ソルティドック』って他の呼び方あるから区別できるけどよ。」

「あ、そういえばそうね~紛らわしいわねぇ~」

「ああ、悪くはねぇが、グラスの周りに塩を付けて出すだろう?酒好きがテキーラ飲む時の作法とかで、ライムかじって、テキーラ流し込んで、塩舐めるを、1・2・3のテンポでしてるだろう?」

「わはははは!!俺様はいつもそうやってのむぜぇー!!?」

「そうだったわねぇ~皇助が飲んでる時点で、ダメよねぇ~」

「烈司さん、僕への回答は!?」



〔★烈司は凛の問いかけをスルーした★〕