彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「とりま、他のカクテルにしましょうよ~みーちゃん♪れーちゃん♪あたしだったらぁ~ジンジャーエールが入ってる『モスコミュール』が良いと思うのよねぇ~」

「あ~確かに美味いけど・・・」


モニカちゃんの提案に、烈司さんが思案しながら答える。


「『炭酸苦手』って子がいるじゃん?シュワシュワ感覚、好き嫌いがわかれるじゃんかー?まぁ『炭酸大丈夫?』って確認して、OKならそれでもいいけどよぉ~」

「いっけなぁーい!それもそうね~!?お酒とかで炭酸が薄まると言っても、ダメな子はダメだったわねぇ~」

「つーか、凛にくっつきすぎだぞ、モニカ!てか、バーで働いてる女子に、『おごるけど、アルコール大丈夫?』とか聞くの、おかしくねぇーか?あやしまれんじゃねぇーの??」



私を両腕で抱きかかえるモニカちゃんの片手を引き離しつつ、気がかりな点を問いかける瑞希お兄ちゃん。


「馬鹿者共、頭を使え。」


それに答えてくれたのは眼鏡の美男子。


「『酒ばかり飲んでると胃が荒れてしまうから、ソフトドリンクをおごらせてくれ。』と言えばいいだろうが。」

「わははは!!親切と見せかけた罠かよぉ~!?いいぜ、伊織!!さすが俺様が認めたどす黒いブラック参謀様だぜぇ~~!!」

「ホント、いいわねぇーそれ!何も知らない子なら、普通に『え、優しい!』とか、『助かるぅ~!』って、思っちゃうわぁ~!」

「モニカ、凛から離れねぇーか・・・!」

「あん、ちょっと!わかったから、凛ちゃんから完全に引き離さないでよぉーん!半分だけ♪ね?」

「オメーは・・・・!」



にらむ瑞希お兄ちゃんに、モニカちゃんは甘えた声を出しながらおねだりウィンクをする。

そして背後から私を抱きしめる体勢を、腕組みへと変えながら言った。