「とりま、他のカクテルにしましょうよ~みーちゃん♪れーちゃん♪あたしだったらぁ~ジンジャーエールが入ってる『モスコミュール』が良いと思うのよねぇ~」
「あ~確かに美味いけど・・・」
モニカちゃんの提案に、烈司さんが思案しながら答える。
「『炭酸苦手』って子がいるじゃん?シュワシュワ感覚、好き嫌いがわかれるじゃんかー?まぁ『炭酸大丈夫?』って確認して、OKならそれでもいいけどよぉ~」
「いっけなぁーい!それもそうね~!?お酒とかで炭酸が薄まると言っても、ダメな子はダメだったわねぇ~」
「つーか、凛にくっつきすぎだぞ、モニカ!てか、バーで働いてる女子に、『おごるけど、アルコール大丈夫?』とか聞くの、おかしくねぇーか?あやしまれんじゃねぇーの??」
私を両腕で抱きかかえるモニカちゃんの片手を引き離しつつ、気がかりな点を問いかける瑞希お兄ちゃん。
「馬鹿者共、頭を使え。」
それに答えてくれたのは眼鏡の美男子。
「『酒ばかり飲んでると胃が荒れてしまうから、ソフトドリンクをおごらせてくれ。』と言えばいいだろうが。」
「わははは!!親切と見せかけた罠かよぉ~!?いいぜ、伊織!!さすが俺様が認めたどす黒いブラック参謀様だぜぇ~~!!」
「ホント、いいわねぇーそれ!何も知らない子なら、普通に『え、優しい!』とか、『助かるぅ~!』って、思っちゃうわぁ~!」
「モニカ、凛から離れねぇーか・・・!」
「あん、ちょっと!わかったから、凛ちゃんから完全に引き離さないでよぉーん!半分だけ♪ね?」
「オメーは・・・・!」
にらむ瑞希お兄ちゃんに、モニカちゃんは甘えた声を出しながらおねだりウィンクをする。
そして背後から私を抱きしめる体勢を、腕組みへと変えながら言った。


