彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






ただでさえ、『ガールズバー』に行くって展開になってしまったのに。

このまま行けば、恐れていた展開になってしまうかもしれない。


(それは困る!)


困るからこそ、上手く説得したいのだけど――――――



「うぅ・・・!!」



良い言葉が見つからない。



〔★便利な単語、とっさには出てこないものだ★〕



「なんだ凛?言いたいことがあるなら言え!つーても、言い訳は聞かねぇーからな!?」

「やめてよ、みーちゃん!凛ちゃんにそんな良い方しないでよ!?凛ちゃんを怒らないでっ!?い・じ・め・な・い・でっ!!」

「わっ!?」


そう言って私を守るように、背後から抱きついて来たのはキレイなオネェさん。


「モニカちゃん・・・!」

「大丈夫よ、凛ちゃん!言わなくてもわかってる!凛ちゃんが嫌がる気持ち、モニカちゃんはわかるから!」

「え!?」

まさか・・・ガールズバーに行ってほしくないってこと、理解してくれてるの!?


「大体さぁ~いくら作戦とは言え、『スクリュードライバー』を無理やり飲ませるのって、『自分はクソ男です』って自己紹介してるようなもんだもん!わかりやすい定番カクテルよねぇ~」


「ええ!?」

(共感してるの、そこ!?)


確かに、アルコール度数について、私は問題視してたけども!!

大事なのは瑞希お兄ちゃんですから!!



〔★凛の世界の中心は真田瑞希だ★〕



(てか、『自分はクソ男です』って、『自己紹介』になるようなお酒なの!?)



「そこまでヒドイのですか!?」

「そうよ~ん♪『女が酔いやすいお酒』のベスト5にも入るわけでぁ~あら、いけなーい!『スクリュードライバー好き』が聞いたら怒られちゃうわね?差別発言に反省♪」



ペロッと舌を出すと、モニカちゃんは陽気に言った。