ただでさえ、『ガールズバー』に行くって展開になってしまったのに。
このまま行けば、恐れていた展開になってしまうかもしれない。
(それは困る!)
困るからこそ、上手く説得したいのだけど――――――
「うぅ・・・!!」
良い言葉が見つからない。
〔★便利な単語、とっさには出てこないものだ★〕
「なんだ凛?言いたいことがあるなら言え!つーても、言い訳は聞かねぇーからな!?」
「やめてよ、みーちゃん!凛ちゃんにそんな良い方しないでよ!?凛ちゃんを怒らないでっ!?い・じ・め・な・い・でっ!!」
「わっ!?」
そう言って私を守るように、背後から抱きついて来たのはキレイなオネェさん。
「モニカちゃん・・・!」
「大丈夫よ、凛ちゃん!言わなくてもわかってる!凛ちゃんが嫌がる気持ち、モニカちゃんはわかるから!」
「え!?」
まさか・・・ガールズバーに行ってほしくないってこと、理解してくれてるの!?
「大体さぁ~いくら作戦とは言え、『スクリュードライバー』を無理やり飲ませるのって、『自分はクソ男です』って自己紹介してるようなもんだもん!わかりやすい定番カクテルよねぇ~」
「ええ!?」
(共感してるの、そこ!?)
確かに、アルコール度数について、私は問題視してたけども!!
大事なのは瑞希お兄ちゃんですから!!
〔★凛の世界の中心は真田瑞希だ★〕
(てか、『自分はクソ男です』って、『自己紹介』になるようなお酒なの!?)
「そこまでヒドイのですか!?」
「そうよ~ん♪『女が酔いやすいお酒』のベスト5にも入るわけでぁ~あら、いけなーい!『スクリュードライバー好き』が聞いたら怒られちゃうわね?差別発言に反省♪」
ペロッと舌を出すと、モニカちゃんは陽気に言った。


