彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





私達のやり取りを、1人冷静に静観していた眼鏡の先輩がテンポよく言う。



「要は、敵に『スクリュードライバー』を勧めることが、凛道は気に入らんということだな?」

「瑠華さんを敵って決めつけないでください!」



眼鏡の先輩に抗議したが、鼻を鳴らしながら答える。



「良い大人は、未成年をガールズバーに誘わん。」

「だからそれは!瑞希お兄ちゃんへの勧誘で~!」

「だったら、真っ先に俺に渡すよな、凛?なんですぐに、お兄ちゃんに名刺を渡さなかったんだ!?」

「瑞希お兄ちゃん!?」


追及するように聞かれて戸惑う。


「運良く凛のポケットから、名刺が脱出してきたからわかったようなもんをよ~今の凛の態度だと、俺にハナから隠して、見せる気がなかったと思われても言いわけできねぇーんだぞ?」

「誤解です!隠すなんて僕は―――――・・・!」


(―――――うん、見せる気がなかったのは本当かな・・・)


ヤマトのところに、封印しようと思ってたわけだから、あながち間違ってはいない。

だって、瑞希お兄ちゃんに瑠華さんの名刺を見せて、お兄ちゃんがお店に興味を持って行くことになったら・・・・



―チョコちゃん♪―



(あのセクシーダイナマイトのお姉さんを・・・好きになったらイヤだもん・・・・!!)

私といた時でさえ、『見ず知らずの男だけ』が、瑠華さんに熱い視線を送っていた。

お一人さんも、野郎同士も、カップルも、親子も、ファミリーさえも・・・!!



(瑞希お兄ちゃんは、そんな浮ついた人じゃないと思うけど――――――――それでもイヤ!!)



〔★凛は焼きもちを妬いている★〕