彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「なにすんだ、モニカ!?」

「瑞希お兄ちゃんへの暴力はおやめください、モニカちゃん!」

「ごめーん、凛ちゃん♪つい、みーちゃんに焼きもち妬いちゃったぁ~!もうしないから~ねぇ?」

「でしたらいいのですが・・・!」

「だったら、俺に詫びろやコラ!?」

「なによ~みーちゃんが凛ちゃんを独り占めしたのが悪いんでしょ!?あと、邪馬台国は絶対出雲!年一で、神様が集合する場所だもん♪神秘的なパワーがありありだし、存在自体縁起良いんでしょー?ねぇ、れーちゃん?」



笑顔で話を振るモニカちゃんに、烈司さんは苦笑いしながら答える。



「そりゃ、日本の八百万の神の総本山だけどよーリアルな話では、九州説が有力なんだろう?」


(え?九州派?意外ね・・・)



そう思ったのは、私だけではなかった。



「わははは!!占いで食ってるくせに、出雲じゃなくて九州押しか烈司!?」



不本意だけど、野獣と同意見。

これに対して烈司さんは、呆れた声で言った。



「スピリチュアルだからって、出雲派って決めつけるんじゃねぇーよ!公私の考えは別もん!俺の知ってるキリスト教を信仰してる子だって、教会では『地球は丸くない』、世間の前では『地球は丸い』って、使い分けて暮らしてんだぞー?」

「えっ!?キリスト教の人って、使い分けてるのですか!?」

「ハッハッハ!ないない!むしろ、丸くないって思ってるんじゃねぇーかな?」

「つーか、極端な例だろうが!凛にややこしいこと教えるんじゃねぇーよ!」

「ややこしいのですか、瑞希お兄ちゃん??」

「頭の悪い俺でも、ややこしいと思うぞ?信仰と科学が、わかりあうのは難しいんだよ。凛にコウモリ勧めるわけじゃねぇーけど、物事は中立で見ろよ?」

「はい!わかりました、瑞希お兄ちゃん!!」

「凛道の知識が増えたところで、そろそろ選択型討論から帰って来い馬鹿者ども。どこまで話を脱線させる気だ?」



瑞希お兄ちゃんの言葉に同意したところ、タイミング良く話をまとめる獅子島さん。