「落ち着け、凛!今はマドラーとかスプーンで混ぜてるからよ?」

「そうでしょうけど!!オレンジジュースの入ってるお酒って、大丈夫ですか!?美味しいんですか・・・!?」



お酒入りなんて、飲んだことがないから判断できない。

だけど、炭酸入りのオレンジジュースは美味しい。

疑いのまなざしで問えば、瑞希お兄ちゃんは答えてくれた。



「大丈夫だ。美味いぜ?」

「・・・美味しいのですか?」

「おう!口当たりがよくて、飲みやすいぜ?酸味がちょっと利いてる甘口って感じだよ。オレンジの味の方が強いからきついことはない。」

「え?そうなんですか?」

「そうなんだよな!ぐいぐい飲めてよぉ~言われなきゃ、『ウオッカ』入りなんてわかんねぇぐれーだわ!ははは!」

「へぇ~そうで・・・『ウオッカ』!?」

「あ。」



ぎょっとして聞き返せば、しまったという顔で固まる瑞希お兄ちゃん。



「みーずきぃー?」



あーあ、という顔をする烈司さんが視界に入ったが、無視して暴露した本人に聞いた。



「どういうことですか、瑞希お兄ちゃん!?『ウオッカ』って――――――『名探偵コナン』の主人公のコナンの宿敵の黒の組織の幹部メンバーの人のサポート役のさえないグラサンのコードネームにもなってるお酒のことですよね!?それって、ロシアがソ連時代だった時に、ロシア人がアルコール依存症になる原因となった強いお酒のことですか!?」

「名探偵コナンは知ってるが、ロシアがソ連だった頃のロシア人のアルコール依存症事情は知らねぇーな。」

「瑞希お兄ちゃん!!」

「あ~・・・そうだな、世界的にもアルコール度数が強い酒だ。」



私の追及で、観念したように認める瑞希お兄ちゃん。