「ポリのあおりがウザかったんで、他の族の群れにみんなで突っ込んだんすよ。それで大乱闘になって、あたしらはスムーズに帰って来れたんす。」

「マジか?誰が考えたんだ、そのナイスな案?」

「そりゃあもちろん、凛さんですよ!」

「可児君。」


元気よく言ったのは、同じくチームメイトの可児良信君。

今はなき、SHIELDというチームの元・総長候補で、現在は龍星軍の副総長。

疲れを全く感じさせない様子で、こちらへとやってくると言った。


「凛さんの他の族をけん制して、サツ共をかく乱させる作戦が大成功だったんすよ!さすが、俺らの総長です!一石二鳥の案を思いつく凛さんに惚れ直しましたよ!」

「へえ~よかったな、凛?」

「う、うん・・・ありがとう・・・」

「オッス!」


どういうわけか、可児君は僕をすごく慕ってくれる。

好かれているのは悪いことではないけど・・・舎弟とか、子分とかにしてくれって言ってくるところに引く。

義理堅くて漢気があるのはわかるけど、何度も僕がお断りしているのに、しもべにしてくれと言ってくるところにドン引き。

悪い五分刈りじゃないんだけどね・・・。


〔★五分刈りにも、良い悪いがある★〕


「ウェイウェウェイ!俺の方がリンリンに惚れてる的なー!もう、今夜みたいな小悪魔のような攻め方に~マジ胸キュンで鬼ヤバ~!!抱きしめてたーい♪」

「って!?もう抱きしめてますよ、ちーちゃん!?」


僕に抱き付きながら言うのは、チームの仲間の幡随院長政君。

全国ナンバーワンの半グレチームの元ボスで、現在は龍星軍の遊撃隊長。

チャラオだけど、ブチギレると怖いので怒らせない方向で頑張ってます。