《友達だと思ってたのは、私だけだったの!?》

「え!?あの・・・」

《一緒にいていじめられるとか・・・そんなこと気にしてたの!?少なくとも私は、菅原さんを友達だと思ってるよ!?》

「吉田さん・・・」

《いじめのことは、大丈夫だよ!私も・・・今いじめられてるじゃん?同じじゃない?2人で頑張って乗り切ろうよ?》

「・・・!?」


(ふたりで?がんばって?のりきろう?)


「・・・・・私といたら、吉田さんへの被害がひどく・・・」

《ならない!ひどくなんて、ならないよ!2人で別々にいる方が・・・絶対にツライ!一緒にいよう!?ねぇ、お願い!》

「いいの?」



馬鹿だと思った。

何を聞いてるのかと、自分でも思った。



「私と一緒にいても・・・・いいの?」



なんて質問をしたんだろうと思った時、相手は答えを口にしていた。




《もちろんいいよ!一緒にいよう!いじめがなくなるまで、一緒にお昼食べよう!私達、友達でしょう?菅原さん?》

「―――――!!?」


―ともだちでしょう?―




その言葉が、深く胸に刺さる。


(・・・お兄ちゃん。)


瑞希お兄ちゃん。


(・・・・・信じていいのかな?)



『菅原凛』は友達に恵まれていない。

『凛道蓮』の時しか、友情運がない。



そう思っていたけど――――――――――



「本当に・・・・・・・・私と友達でいいの・・・?吉田さん・・・?」

《うん!》

(嬉しい・・・!!)


素直に、嬉しかった。

私を友達だと言ってくれたことが嬉しかった。


(信じたい。)


その言葉を、彼女の友情を、



(吉田さんを信じたい。)



そう思った時、私は次の言葉をつむいでいた。



「こんな私でよければ・・・・・お友達になって下さい、吉田さん。」

《もちろんです、菅原さん!これで私達、友達になれたね?ありがとう!》

「こちらこそ・・・・・・!!」



不意打ちだった。



(まさか、瑞希お兄ちゃん以外のことで、泣けてしまう日が来ちゃうとは・・・)



「ありがとう・・・・!!」



『菅原凛は友達』だと言ってくれた吉田さんの言葉は、胸に深く刺さって、心の真ん中に届く。

暖かい言葉が、溶けて、しみ込んで、心を温めてくれた。

私を、『菅原凛』は癒してくれた。

良い意味で、その日は朝から泣いてしまった。