「えーもう少し居てくれてもいいのに。
おば様は、気が利かないですわねぇ~」

お、おば様!?
またおばさんと言われてしまった。
しかも気が利かないって……。
ショックを受けてると帰る用意を済ました
睦月君が茉莉華ちゃんのところに行くと

「茉莉華ちゃん。女の子なんだから
言葉遣いに気を付けようね?
おば様ではなくてお姉様だよ。ねぇ?」

そう言って注意してきた。すると茉莉華ちゃんは、
「はーい。茉莉華。睦月様のために気をつけますわ」
とアッサリと受け入れた。

す、凄い……。
例え幼くても恋は、人を変えるのね!?
茉莉華ちゃんの変貌ぶりにさらに驚いた。

「マジかよ?コイツ……」

拓馬君も驚きを隠せない様子だった。
私も唖然としていた。
その後も茉莉華ちゃんは、睦月君の忠告を守り
拓馬君を含めて一緒に居る所をよく
見かけるようになった。
意外といいグループになりそうな気がするわね。
そんな風に思った。

そして睦月君達の様子を見守りながら月日が過ぎて行く。
季節は、6月になった。雨が多い梅雨の日に
私は、睦月君を迎えに幼稚園に行った。
すると相変わらず拓馬君と茉莉華ちゃんは、
口喧嘩をしていた。

「相変わらずね……あの2人」

そう呟くとコクリと頷く睦月君。
仲が悪いけど、でもお互い嫌いってより
素直になれないだけの気もする。
案外……睦月君よりあの2人がくっついたら面白いのに
なんて……思ってしまった。

そして睦月君と帰ることにする。
睦月君は、黒猫のカッパを着て私と手を繋いで
歩いている。小さな黒猫さんで可愛らしい。
だがカッパは、蒸れるし暑いだろう。
ベタベタになるし

「睦月君。早く帰って冷たい飲み物とおやつを
食べようね」

そう言っていると睦月君は、ピタッと
立ち止まってしまった。睦月君……?
すると手を離して電信柱の下に置いてある
段ボールに駆け寄って行く。
あら、何か入っているのかしら?

私も段ボールを覗き込むと中には、濡れて
汚れているけど毛並みが真っ白な子猫が入っていた。
か、可愛い~捨て猫かしら?
こんな可愛い子猫を捨てるなんて酷い人がいるものだ。