「そうですか?ありがとうございます」

「あんな風に助けようと思ってもやれるものではないわ。
睦月は、それが備わってるのね」

拓馬君のママがそう言ってくれた。嬉しい……。
褒められてるのは、睦月君だけど
それでも嬉しいものだ。すると先生が戻ってきた。
重そうな荷物を下ろす。

「先生。お疲れ様です」

「よっと……これで足りそうか?」

「はい。これぐらいあれば大丈夫だと思います。
ありがとうございます」

疲れてしゃがんでいる先生を労う。
するとまた、お客が来てしまった。
慌てて焼きそばを用意しようとしたら先生が
立ち上がった。

「代われ。俺がやってやる」

しかし、顔を見えた瞬間お客様が騒ぎ出した。
あぁ、先生カッコいいから

「せ、先生。この辺は、私1人で大丈夫なので
睦月君とお昼ご飯を食べに行って下さい」

「だが……」

「本当に大丈夫なので。他のお母様達も居りますし
早く食べに行かないと無くなっちゃいますよ?
睦月君だってお腹空いて泣いてしまいますし」

チラッと睦月君を見るといつの間にか
フランクフルトを食べていた。
あれ?いつの間に!?

「あんたらの話が長いから俺が貰ってきた」

驚いていると拓馬君が呆れた表情をしながら
教えてくれた。そう……。
それは、また申し訳ない事をしてしまったわね。