あまり強くない、優しい抱き締め方だ。

藍「洸、買い物に行こう。包帯が無くなりそうだから」
洸「そうか、そうだな。行こう」

ズレた包帯の隙間から見えたあたしの顔の左側は気持ち悪かった。
多分縫い跡は残るし目も開かない。
洸の後ろにある鏡越しに自分の顔を見ていると包帯が取れてしまった。

洸「包帯が...」
藍「洸、あたしの左目はもう使えないのか」
洸「ッ!...分からない。ほら、きつくないか?」
藍「大丈夫」
洸「行こうか」

洸は知っているけど隠している。
言えないなら無理には聞かないし知る必要も無い。
あたしは洸に着いて行く。