「し、し、しゅ、俊君!?え、え、え、えっ……どうしたの!?ま、ま、ま……」
「佳苗。落ち着け。このガキ今日泊めることになったから、どこかに放り投げておいて構わないぞ」
「ま、ま、ま、待っ…ま、待って!びょ、病院行かないと。血がすごいよっ!俊君、大丈夫!?じ、仁、車!!死んじゃうっ!!」
「別に死んでも構わないし」
「仁!!!!」
「大したことないから、ほっとけ。……あかりが驚くだろ」
パジャマ姿で半ボケだったあかりは俺の姿を見て、目を見開いた。
「しゅん、くんっ!!」
涙目で駆け寄ろうとするあかりを、抱っこする仁。
「あかり、汚れる」
「しゅんくん。ち!しんじゃうっ!!」
「大丈夫。それに、こいつは、こうなって当たり前のことしたんだ」
侮蔑の目を向けられ、呆然としていた俺の怒りに再び火が付いた。
「お前のせいだ。何もかも、お前のせいだっ!お前がいるから、だから、水野は俺を見ないんだ!!」
「うるさいやつ。あかり、もう寝なさい。佳苗」
「ほら、あかり寝よう。俊君は大丈夫だから。ちゃんと手当するから」
「いや、しゅんくんっ!いたいっていってるもん!!」
痛い。
そう、痛い。
動かない身体も。
それ以上に心も。