「……本当に俊と結婚する気ですか?」
親父は疑わし気に眉を寄せて、水野に問うた。
水野はにっこり頷く。
「むしろ、私が結婚相手で知ったら、ご両親に反対されないかな、って心配していたくらいです」
水野の男を見る目はあるのか、ないのか。
仁は悔しいが大人で水野が惚れるのもわかる。
仁に比べて俺は何ともガキくさくて頼りない。
とりあえず、水野の男が見る目が曇もっているうちに、良い男になるのが目下の目標だ。
その後、新車に水野と邪魔者の両親を乗せて水野を実家に送り届けた。
明日は一応結婚の挨拶なのだから水野が先に実家に戻る。
俺たちはホテルに泊まることになった。
親父たちなんて明日新幹線で来れば良いのに、水野がそれならば私が新幹線で帰えるから平気なんて言うから仕方なくだ。
この手の会話は幾度となく繰り返えされ、俺が妥協する。
姉貴や美玖が絡むと、もはや恒例行事だったが、親でも同じというわけか。

