「とにかくだ。小春を大事にしてくれると思っていたのに裏切られる形になってショックを受けているはずだ」
「おばさんが怒っていたとしても、やることは一緒だろ」
「頭に血が上っているおじさんをどうにかできるのはおばさんだけ。おばさんを味方に付けていないと話にならない」
「何か方法でも?」
「方法はある。冷静に考えれば小春が妊娠した今、結婚を認めるしかないのはわかっている。でも、お前の味方を素直にするのは癪に障る。だから、小春に説得してもらうように頼め」
「俺じゃなく、水野が頼むのか?」
「言っただろ?小春が可愛くて仕方ないって。怒らさえたお前が説得なんてできるか。怒りを隠して、躱されるのがヲチだ」
なるほど、と俺が仁の入れ知恵に頷く。
すると、本来の性悪が顔出した。
「俺が説得しても動くぞ。おばさんもおじさんも。お前と違って、俺は二人に信用されているし愛されているからな」
上から目線で微笑む仁は、やっぱりむかつく。
感謝が一気に消え失せた。

