俺は水野に絶対に一緒に行くからな!と最後まで言い続けて家を出た。
会議を的確に取り仕切り、課長を拝み倒し仕事をいつも以上にスピーディーに熟し、昼休みなしで働き午後休を獲得。
会議の残務は今週中であれば言い、榊田に恨まれたり廃人になられたら笑えん、と課長は真面目な顔をして、休暇簿に印を押した。
水野に電話をして駅で待ち合わせをすることに。
俺は緊張しない性質だが、さすがに診断を待っている間はそわそわした。
永遠にも似た時間を待って、ようやく俺たちの番号が呼ばれた。
目じりを優しく緩ませて産婦人科医が口を開いた瞬間、俺の緊張は極限に達した。
すっかり日が暮れてしまった。
水野が好きなオレンジ色の夕焼も少し前に沈んでしまった。
夕焼けを見ることができたならば水野にとって少しは安心したりしたかもしれないのに。
早く沈んでしまった夕焼けと、不本意ながら仁を思い出しで、空をに睨みつける。
手を繋いでゆっくり歩く。
いつも以上にゆっくりと。
同じ場所に帰えるから時間なんて惜しむ必要もないのにゆっくりと。

