ドライブデートもこれで完璧。
天上天下唯我独尊天下泰平な日々を送っていた俺に大きな出来事が起きたのはそれから間もなくしてからだ。
「ちょっと良いかな?」
日曜の終わり、今日は水野も体調が芳しくないということで家で寛いでいた。
風呂から上がるのを待っていた俺は、その言葉に顔を上げた。
表情が少し強張っているように見えて、大事な話だとわかる。
俺は緊張を出さず、水野をソファーに座わらせ視線を合わせる。
一回息を吐いて、水野は聞き返えすことが不要なほどはっきりした口調で言ったのだ。
「もしかしたら妊娠しているかも。明日休み取ったから病院行ってくるね」
あまりにも想像の斜め上を行く発言に俺は呆けた。
誰が妊娠?
誰の子?とうっかり聞いてしまいそうになり唾を慌てて飲み込んだ。
誰が妊娠?
それは会話から察するに水野。
誰の子?
それは当然俺の子だ。
わかる。
そんなのは当然わかる。
そんなことを問いたいわけではない。
では、何を問いたいのだろう……