寝返りを打って、水野を抱きめる……


 が、そこには布団しかなく、水野はもちろん誰もいなかった。


 その瞬間に、まさかの夢ヲチ!?


 心地の良いまどろみから一気覚醒し、起き上がった。


 俺はというと、時計を身に着け、素裸という珍妙な格好。


 夢か現実かわからないが、記憶では昨日俺がベッドの下に放り投げた水野の靴も、同じく放り投げた俺と水野の服もなかった。



 それを言うならば、その辺りに散乱していた今週分の俺のワイシャツ等の汚れ物もない。


 俺は部屋を一瞬で見渡し、ベッドから飛び降りてタンスの中から服を引っ張り出して身に着けて部屋を出る。
洗濯機が回っている。


 水野はいない。


 俺の記憶はやはり夢?


 現実は、俺は夢遊病のごとく服を自ら脱ぎ、全てをかき集め洗濯機を回したか?


 いや、いや、あのシトラスの香りとマイナスイオンは現実だ。


 そう結論をつけるとそのまま家を飛び出す。