「そして極め付けは振られた腹いせの野獣化。付き合っていた時も野獣的だったのは想像に難くないが、破局後もとなるとな」



「お兄ちゃんって、絶対に時間も場所も問わず、強引に押し倒おすタイプだよね。彼氏として何もしていないくせに、そこだけ人一倍。将来有望な彼氏でもごめんだよ。まして夫なんてね。しかも指輪まで職場の女性に選んでもらったんだって?」



「京香さんは、センス抜群のお人だが、小春の指輪を全て人任せとはな……」



「センスのない自分を知っているのは褒てあげるけど、変な見栄を張らずに小春ちゃんと選びに行けば良かったのに」



「………………」



「そう言ってやるな、美玖。小春と指輪を買いに行く前に振られることになるのだから無理という話だぞ」



「そっか!!お兄ちゃんが振られるのはもう必然だったもんね」



「………………」



「お~い。俊、生きているか?」



「少し反省した?というか、浮上できる?」



 ここに来た時点でこうなるのは、もはや必然。