この辛い日々は俺の精神を確実に蝕んでいく。


 そして、俺は今日、完全に精神を崩壊させてしまうかもしれない。


 ない気力を振り絞って行く先は悪魔が棲まう家。









 「お兄ちゃん、お願いだから自殺だけはしないでよね」



 悪魔一号の姉貴と一緒に暮らす、悪魔二号の妹の美玖が俺を出迎むかえ、俺の顔を見た瞬間に目を見開き、次に目を細め、反応を窺うように言葉を発した。


 俺はそれに答えず、姉貴は?と尋ねた。


 リビングに行くとソファーで寛ぐ、天下泰平と言わんばかりの顔をした姉貴。



「よく来たな!師匠にボコられたとかいう傷もだいぶ良くなったな」


「師匠?」



「私の師匠は仁先輩しかいない。昔、大層、私を可愛がってくれてな。しかし、そのぼそぼそした話し声と言い、陰気な顔もわが弟とは思えんな」



 昔から、散々姉貴には煮え湯を飲まされてきた。


 しかし、ここまでの最大に最高に煮えたぎる湯はなかった。


 俺に気力があったなら、女だとか姉貴とか関係なく、殴っていただろう。


 怒りが込み上げて抑えきれなかっただろう。


 でも、今の俺は怒る気力もない。


 怒ることも面倒だ。


 それより事実確認だ。