それが水野なのだから、惚れた女なのだから構わない。


 ただ、会いたい。


 顔を見て、大好きな笑顔を見たい。


 恋人にも友人にも戻れないなら、運転手でも財布でも構わない。


 行きたい場所があるなら送っていくし、買い物の支払いに俺を呼んでくれれば良い。


 そんな関係でも構わないと本気で思っている自分がいる。


 多くのものを望みすぎた、水野の愛情全てを自分に注いで欲しいと。


 仁は悪い虫だと俺を言ったが間違いではないのかもしれない。


 寄生虫が分け与えられる分だけでは足りないと、花そのものをダメにしてしまう。


 きっと、俺が望んでいたものそういうことなのだ、仁がいないと水野は俺の好きな水野ではなくなってしまうのに。