「仁が可愛い可愛い妖精の小春ちゃんの話をするように、明美が可愛い可愛い俊と美玖の話をするわけよ。あの二人はとにかく仲が良くて。その変態じみたところがそっくりだし」
「で、小春と同い年の明美の弟、俊のとんでもない話を聞くわけだ。高校生のくせに女遊びが激しくて、とっかえひっかえで、複数の女を掛け持ち、たぶらかし、泣かしと悪行の数々。明美は可愛い俊がと嘆いていたぞ」
高杉さんは当時を思い出したようにのん気に笑う。
俺は、ビールでベタベタに潤っている身体に汗を滲ませた。
「数多の女の子をもて遊んで、ポイ捨て。終いには、姉の友人にも手を出す。あんた、本当に最低なガキだったのね。しかし、それがあんたとは驚き!」
やはり他人事なのか、ニヤニヤとからかいのネタを新たに見つけたと宮野。
しかし、宮野の言葉にごくりと喉を鳴らした。
姉貴の友人とは、あの女のことだ。
姉貴は知っていたのか、俺たちのことを。
知らないと思って優越感に浸っていた女の顔を思い出す。
あの時の出来事を思い出す。
もしかして、姉貴は全てを知っている?

