私は、久しぶりに日本に帰って来た。今日、留学期間が終わり、また留学前と同じ日常に戻る。

「咲!!」

空港内を歩いていると、久しぶりに聞く声が耳に入ってきた。

「……雅彦!」

前よりも身長が高くなった雅彦が、変わらない笑顔を私に向けていた。

「Welcome back(おかえりなさい)!!I missed you.(寂しかった)」

雅彦は笑顔を崩し、涙ぐんで私に抱きついた。異性に抱きつかれたこともあり、私の頬は一気に熱くなる。きっと、私の顔は真っ赤なんだろうな……。

「と、とりあえず……私の家に行こうよ……」

「あ、ご……ごめん……」

雅彦は、勢い良く私から離れた。雅彦の顔は、真っ赤になっている。まるで、リンゴみたい。

雅彦にアメリカで起こったことを話ながら、家に向かった。



「俺、咲に言わなきゃいけないことがあるんだ」

雅彦は、いつも以上に緊張した顔で私を見る。

「どうしたの?」

「…………I love you(愛してる)」

雅彦は優しく微笑んで、私を見た。その言葉に、どうして私の胸は高鳴っているのだろう?

「ずっと咲が好きだ。俺と付き合ってください」

……あ、そうか……私、雅彦のことが――。

私は、何も言わずに雅彦にキスをした。