「My name is Saki Mikumo.(私の名前は、三雲 咲です)」

私は、英語で自己紹介をした。ここは、私が入学した高校の英語科教室。そして、今は、皆で英語で自己紹介をしてるんだ。

私は、英語クラブに入ることにしたんだ。だって、英語が好きだから!

「Thank you.(よろしくお願いします)」

挨拶をして、私――三雲 咲は頭を下げる。

「……Good(良いね)!!」

顧問の池山(いけやま)先生は、そう言って微笑んだ。

「じゃあ、次の人!」

池山先生がそう言うと、私の後ろにいる幼なじみの彼が立ち上がる。彼は、不安そうな顔を私に向けた。

「……ふふっ」

その顔が面白くて、私は笑う。私は、頑張れ、と意味を込めて口角を上げた。

「俺は英語が大の苦手なので、日本語で自己紹介をします!」

恥ずかしそうに、彼は話し始める。周りから、クスクスと笑う声が聞こえた。

「1年2組の宇野 雅彦(うの まさひこ)です。この部活に入った理由は、苦手な英語を克服したいからです」

そう言って雅彦は、頭を下げる。ホッとした顔で、雅彦は席についた。

「お疲れ様」

私は後ろを向き、雅彦に声をかける。雅彦は、まだ赤くなっている顔を私に向けた。