創ちゃんは笑ってはいなかった。
悲しそうな顔だった。
そしてわかったんだ。
創ちゃんが考えていることは私が話すことがわかってるんだ。

「………場所………変えようか?」

「………うん」

胸が………傷んだ。
だけど知らないふりをした。
そして私たちは静かな河川敷のところに来ていた。
私は創ちゃんのあとをゆっくりと歩く。
………切り出しにくいな。
そう思っていると創ちゃんが話始めた。

「俺さ、羽山がうらやましかった」

「え………」

羽山君のことが………?

「おれ、全部知ってるんだ。だけど羽山が自分の口から言いたいって言うから………黙ってた。ごめんな、恋………。それと………俺に言わないといけないことがあるんだろ?いいよ、準備万端できてるから」

「創ちゃん………」

私は、ぐっと拳を握りしめた。
そして真っ直ぐ前をみた。
創ちゃんをみた。

「ありがとう、守ってくれて………助けてくれて。それと………私は、羽山君が好きです!だから………私と別れて………くださっ………」

うまく言えない。
創ちゃんにはまだ言いたいことがいっぱいある。
だけど………言えない。
伝えられない。
………わかんない。
創ちゃんが喜ぶとことがいい。