「いえ………。花宮さんを助けるのは当たり前ですよ」

「え………どうして?」

「………だって、友達でしょ?」

「!………そうだね」

最初の間は………なんだったんだろう?気のせいかな?
私はチラッと羽山君の方を見た。
彼はニコニコ笑っていた。
………やっぱり気のせいだよね。
あのとき一瞬だけだったけど。
羽山君の顔が暗かった。
そして悲しそうだった。

「………羽山く………」

「花宮さん、小鳥遊君待っていますよ?」

「え………?」

そう言って羽山君は保健室の出入口の方を見た。
だから私もつられて見たんだ。
羽山君の言うとおり。
そこには創ちゃんがいた。
そしてなんだか下を向いてしょんぼりしていた。
どうかしたのかな?
私はキョトンとしながら創ちゃんの方を見たあとに羽山君の方をみた。

「………どうかしたの?」

「えっと………」

羽山君は私を見るなり創ちゃんの方を見る。
そしてまた私を見る。
それで………その繰り返し。
私を見て創ちゃん、そしてまた私。
オロオロしてる?
創ちゃんの顔色をうかがっているのかな?

「むっ、無理に話さなくても大丈夫だよ!創ちゃんに直接聞ければ聞くから!」