私は羽山君に微笑んだ。
彼がいてくれてよかった。
優しい人で、親切な人でよかった。
心の底からそう思うよ。

「………はいっ!!」

羽山君はほんのちょっと笑った。
しっかりと見れなかったけどだけど笑っていたんだ。
そして泣きそうだった。
羽山君は………。


「またね、羽山君!」

全部の授業が終わり私は羽山君に笑って言った。
彼は無表情であったがちゃんと返してくれた。

「はい、また明日」

なんだかやっぱり………距離が縮んだ気がするのは気のせいかな?
縮んでたらいいな。

「さて、いこっと!」

私は荷物をまとめて教室を出た。
そして演劇部の部室へと向かった。

「羽山、ちょっときてくれない?」

「………小鳥遊君………っ」

羽山君はいい人。
そして幼なじみの創ちゃんは優しい。
私のまわりには素敵な人たちばっかりだな。

「演劇部に入部する花宮恋です!よろしくお願いします!!」

また新しい居場所。
演劇部。
全部………大切にしたい。