「………わからないの。覚えてない」

正直に話さなきゃ。
だって………羽山君に嘘つきたくないんだもん。
創ちゃんは下を向いたままだった。
羽山君が質問してきた時からそうだった。

「そうなんですか。ありがとうございます。この話は内緒にしたほうがいいですよね?ばれたくないんでしょ、アイドルだってこと」

「………うん」

私はいいんだけど、創ちゃんやお父さんが言うから私は指示通りにしてるだけなんだけどね。
でもそれは言わないでおこう。
なぜだかそう思った。
言わない方がいいって。

「話してくれてありがとうございます。ではまた………」

「うん、ありがと」

羽山君はもう夕飯の時間だからといって帰った。
そして創ちゃんはそのまま私の家で夕飯を食べるみたい。
だからお父さんに連絡したんだ。

【恋:今日は創ちゃんが一緒に夕飯食べるって。お父さんはどうする?】

すぐに既読になって返信がきた。

【父:父さんは誰かと一緒に食べるから創君と一緒に食べなさい。お休み。】

【恋:了解!お休み。】

私はそう送り、夕飯の支度をした。
明日から夏休み。
何をしようかな………。