創ちゃんのお家はお隣。
だけどバレる危険性があるから変装していかなきゃいけない。
だから創ちゃんは私の本当の姿なんてめったにみない。

「しかしサラサラだな、あのときと変わらず」

「ちゃんとやってるからね!」

創ちゃんのあのときとはきっと………アイドル時代の時のことだろう。

「はやくウィッグつけなきゃ」

私がつけようとした時、保健室のドアが開いた。
え、誰かくる!?

「花宮さん、大丈夫ですか?」

羽山君っ!?
ヤバい。
こんな姿を見せるわけにはいかない!
どうしよう。

「あれ………小鳥遊君」

「よう、羽山。あのときはありがとな」

創ちゃん!
創ちゃんが………時間を作ってくれてる。
だったら今しかない!
でもあのときってなんだろう?

「いえ、たまたま気がついただけです。でもよかったです。あの時………花宮さんを守れて」

羽山君が私を守った?
一体何から………?

『温かい………』

もしかしてあの温もりって………。
ほんのちょっとだけだった。
だからわからないけど。

「っ………」

私はぎゅっと服を握った。
この感情はなんだろう。
温かくて胸がきゅっとなって………。