橘くん、今日もすきです



6時限目の授業が終わって、適当で有名な私たちのクラスの担任がホームルームという名の挨拶を終えた。




やーーーっと!待ちに待った放課後!


今日の放課後たまたまなにも予定がなかったらしいあずちゃんは、唯斗くん目当てで私のお供をしてくれるらしい。


放課後の体育館って初めて行くなぁ、なんて、橘くんをみれること以外にもワクワクが募って今にもスキップしだしそうな足を抑え、
あずちゃんの隣を歩く。


バスケをしてる橘くんを見れるなんて、こんなに嬉しいことはなかなかないよ!!




「そういえば、あずちゃんってバスケ部の練習みるの初めて?」



あずちゃんなら、唯斗くんをみるために残っていたこともあるのかなーってふと疑問に思ったから聞いてみる。


私には部活を見学するって言う発想すらなかったけど、中学の時バスケ部だったあずちゃんならその考えに思い至ってもおかしくない気がする。




「うん、高校入ってからははじめて」


「そうなんだ!あずちゃんも初めてって、なんか嬉しいね。ウキウキする」




あずちゃんがしたのは少し予想外な返事だったけど。


でもあずちゃんは中学の時に唯斗くんがバスケしてるところは何回も見てるだろうし、わざわざ見にいったりしないのかもしれない。


でも、私にとったら、バスケしてる橘くんを見ることは初めてで。


ニコニコというかニヤニヤが抑えきれないような顔をしていたはずの私に「んーー、かわいい!」なんていって抱きついてくるあずちゃん。


今日も私たちは通常運転だ。